生徒に課している課題解決型の課題を、生成AI、特にChatGPTを用いて実際に取り組んでみました。この過程を通して、生成AIに慣れることはもちろん、生成AIが得意なところ、不得意なところを確認し、今後の生徒に必要な力を考えていきたいと思います。進め方を見て「そこは生徒が自分でやるところだろ」と思われるかもしれませんが、できる限りズボラな、でも知的好奇心はある、そんな中学生を演じながら進めていきます。
第4回は、第3回に引き続き、勤務校で勤務校で開講している「統計学」での第1課題「鳥取の冬は暮らしやすい?」です。前回はデータ分析を全てGPTにやってもらいました。前回の内容はこちら。
今回は前回までの結果をもとに、レポートの文章を完成させていきます。まずは結論の文章です。結論を簡潔に書き、その後に懸念点を付け加えるように指示しました。
懸念点を章として分ける必要はないこと、また測定誤差については考えなくても良いことを伝え、再出力します。
中学3年生が提出することを考えるとなかなか良い文章ではないでしょうか。同様に課題、計画についても書いてもらいましょう。(データについては、グラフ作成済のため、それを貼り付けることを想定します。)
課題の内容が少し違います。また、文章が難しいこと、さらに「過ごしやすい」の定義を計画に入れたかったのですが、その意図が伝わっていませんでした。訂正を加え、もう一度出力させます。
課題の内容をもう一度教え込ませたり、出典を明記させるために3回ほど文章修正をしましたが、ある程度良い文章が出力されたのではないでしょうか。
それではこの文章をそのまま貼り付けることでレポートを完成させましょう。
完成しました。文字数が少し多かったので削ったのと、グラフの縦軸、横軸の範囲をいじった以外がコピペで完成しました。末恐ろしい時代です。
自力で作った方が早いと感じる部分もありましたが、間違いなく文章作成はGPTを使った方が速いです。それでも時間がかかってしまったのは、GPTの画面上で全ての文章を生成することにこだわったから。(他の人も言われていますが)文章は生成AIを用いて大方の下書きを書いてしまい、それを自分で修正していくのが一番早いと感じました。データ分析については、図表の作成は人間の方がまだ早いですが、ある程度指針が立っていればその方針に基づいて分析するのは生成AIの方が早いようです。
現在の人間の方が得意で、かつ今後人間に必要なのは、研究の動機づけ、分析する際の基準を定めること、それに基づいたプロンプトを考えることだと思います。単なる知識ではなく、何をどのように分析するか、それはなぜ分析するのか、そこが大きく問われる時代になっていきそうです。